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窓から熱が7割入るのはなぜ?夏の暑さと窓の関係を数字で見る

夏の日射が入る住宅の窓辺と熱の出入りを示す写真

夏の昼間、住宅に入ってくる熱のうち約73%が窓などの開口部から入ります。

屋根は約11%、外壁は約7%、床は約3%。面積では窓のほうがずっと小さいのに、熱の量では窓が突出します。

監修:エコサーモハウス(有限会社梅林板金) 代表 平賀 友浩/プロフィール

公開日 2026年8月26日/最終更新日 2026年8月26日(本記事は2026年8月時点の制度情報にもとづいています)/読了時間 約7分

出典・参照:一般社団法人 日本サッシ協会『快適な住まい情報室 REPORT #01』(2025年7月発行)(記事末尾に一覧)

「壁の断熱をしても、あまり涼しくならなかった」——断熱リフォームを考え始めた方から、ときどき伺う話です。家の断熱というと壁や屋根を思い浮かべますが、実際に熱が一番多く出入りしているのは窓です。

この記事では、なぜ7割以上が窓に集中するのかを、部位ごとの数字と仕組みの両面から説明します。

夏の暑さでお困りの方へ
どのパターンの暑さかで、優先する窓が変わります。熱こもりタイプ診断で、ご自宅がどの型に当てはまるかを確認できます。

冬の寒さ・結露でお困りの方へ
熱の向きが逆になるだけで、窓に集中する構図は同じです。冬の寒さ・結露を解決で冬側の現れ方を解説しています。

図1 夏の昼間、住宅に入ってくる熱の割合(部位別)

窓など開口部約73%


屋根約11%


外壁約7%


約3%


帯の長さは窓の73%を100%としたときの比率。出典:一般社団法人 日本サッシ協会『快適な住まい情報室 REPORT #01』(2025年7月発行)。アルミサッシ+単板ガラス住宅のモデル試算です。

夏の熱は、なぜ7割以上が窓から入るのですか?

窓が、家のなかで熱を一番通しやすい部分だからです。壁や屋根には断熱材が入っていますが、ガラスとアルミサッシには断熱材にあたるものがありません。さらに窓は日射そのものが直接通り抜けます。この2つが重なって、熱の量が窓に集中します。

面積の大小ではなく、通しやすさの差が効いている

家全体の外側の面積で見れば、窓が占める割合はわずかです。それでも熱の量で7割を超えるのは、同じ面積あたりで比べたときの「熱の通しやすさ」に大きな差があるためです。

壁・屋根には断熱材が入っている 厚みのある断熱材が熱の伝わりを抑えます。面積が広くても、通り抜ける熱は抑えられています。

ガラスには断熱材がない 1枚のガラスは薄く、熱をそのまま伝えます。日射は透過して室内の床や家具を温めます。

アルミサッシは熱を伝えやすい 金属であるアルミは熱をよく伝えます。外で熱くなったサッシが、そのまま室内側を温めます。

日射が「通り抜ける」のは窓だけ

壁や屋根に当たった日射は、いったん材料を温めてから、時間をかけて室内側へ伝わります。一方、窓ガラスに当たった日射は、その場で室内へ透過します。床や家具が直接温められ、その熱が室内にこもります。

カーテンやすだれは、この透過した日射を室内側でさえぎる方法です。効果はありますが、ガラス自体が温まって室内へ熱を放つ分は残ります。効果の程度は窓の向きや周囲の環境によって異なります。

屋根や壁の断熱では、なぜ足りないのですか?

屋根と外壁と床を合わせても、入ってくる熱の約21%にとどまるためです。窓の約73%に手を付けないまま他の部位を強化しても、熱の大きな流れは残ります。順番としては、割合の大きい窓から見直すほうが変化を感じやすくなります。

図2 直す順番を、面積ではなく熱の量で決める

面積で考えると ── 壁・屋根が大きい
外側の面積では壁と屋根が大部分を占めます。ここから手を付けたくなります

熱の量で考えると ── 窓が約73%
入ってくる熱の大部分は窓を通っています。ここが最初の見直し先になります

ただし2階の暑さのように、屋根からの熱がたまることが影響するケースもあります

当社は板金職人として屋根と外壁に向き合ってきた会社です。屋根の熱の伝わり方を見てきたうえで、窓の断熱を入り口としてご提案しているのは、この数字の差があるためです。




ご自宅の窓がどのタイプかを見分ける(タップで開きます)

ガラスが1枚か、2枚か サッシの下の部分を横から見ると、ガラスの断面が見えます。1枚なら単板ガラス、間に空気層をはさんで2枚あれば複層ガラスです。

サッシの枠が金属か、樹脂か 触って冷たく、金属の光沢があればアルミサッシです。樹脂サッシは白い樹脂の質感で、外気の温度が伝わりにくくなっています。

サッシに製造年の刻印があるか 枠の内側に年式が刻まれていることがあります。2000年代前半までの住宅は、アルミサッシ+単板ガラスの組み合わせが多く見られます。

単板ガラス+アルミサッシの組み合わせは、今回の73%というモデル試算に近い条件です。




窓のどこを変えると、入ってくる熱が減るのですか?

ガラス・空気層・フレームの3つです。このうち内窓の設置は、既存の窓の内側にもう一枚の窓を設けることで、3つを同時に足す方法にあたります。既存のサッシを壊さずに施工できます。

図3 窓の熱を抑える3つの要素

ガラス ── 枚数と種類
1枚から2枚にすると間に空気の層ができます。Low-Eガラスは日射そのものを反射します

空気層 ── 熱を伝えにくい層
動かない空気は熱を伝えにくい性質があります。既存窓と内窓の間にもこの層ができます

フレーム ── 素材を変える
アルミから樹脂に変わると、枠を通って伝わる熱が抑えられます

内窓の設置は、この3つを同時に足す方法にあたります

ガラス ── 枚数と種類 1枚から2枚にすると、その間に空気の層ができます。日射を反射するLow-Eガラスを使えば、透過してくる日射そのものを減らせます。

空気層 ── 熱を伝えにくい層をはさむ 動かない空気は熱を伝えにくい性質があります。ガラスとガラスの間、あるいは既存窓と内窓の間にこの層をつくります。

フレーム ── 熱を伝えにくい素材にする アルミから樹脂に変わると、枠を通って伝わる熱が抑えられます。内窓のフレームには樹脂が使われます。

国の先進的窓リノベ2026事業で性能区分を分けているUw値(熱貫流率)は、この3つを合わせた「窓全体としての熱の通しやすさ」を表す数値です。数値が小さいほど熱を通しにくく、補助額も上がります。

断熱による効果は、窓の面積・方位・断熱以外の部分の状態によって変わります。効果は住宅の条件により異なるため、どの窓から手を付けると変化を感じやすいかは、現地で確認したうえで判断します。

2階だけ暑い場合は、窓と天井の両方を見る

2階は屋根裏で温まった空気の影響を受けやすく、窓だけでは説明がつかないことがあります。この場合は、窓の断熱に加えて天井側の遮熱をあわせて検討します。どちらの影響が大きいかは、間取りと窓の配置を見て判断します。

ご自宅の暑さが、どのパターンかを確かめる

西日が入る部屋、2階に熱がこもる、エアコンが効きにくい——夏の暑さにはいくつかの型があり、優先する窓が変わります。7問の質問に答えるだけで、ご自宅がどの型かを確認できます。個人情報の登録は不要です。

窓と熱の関係について、よくあるご質問はありますか?

数字の前提・面積との関係・冬との違いについて、ご相談の多い5つをまとめました。個別の条件は現地調査で確認します。

7割という数字は、どんな住宅を想定したものですか?

アルミサッシに単板ガラスが入った、断熱性能の低い住宅のモデル試算です(日本サッシ協会の資料による)。すでに複層ガラスや樹脂サッシが入っているお住まいでは、窓から入る熱の割合はこれより小さくなります。数値は住宅の条件によって変わります。

窓の面積は家全体から見れば小さいのに、なぜ熱の量が多いのですか?

熱の通しやすさが部位ごとに違うためです。壁や屋根には断熱材が入っていますが、ガラスとアルミサッシには断熱材にあたるものがありません。面積あたりで比べたときの熱の通しやすさに大きな差があるため、面積が小さくても合計では大きくなります。

カーテンやすだれでは、どのくらい防げますか?

日射をさえぎる効果はありますが、ガラス自体が温まって室内側へ熱を放つ分は残ります。室内側で日射を止めるより、窓そのものの断熱性能を上げるほうが熱の流れを抑えやすくなります。効果の程度は窓の向きや周囲の環境によって異なります。

2階だけ暑いのですが、これも窓が原因ですか?

窓に加えて、屋根から伝わる熱がたまることが影響します。2階は屋根裏で温まった空気の影響を受けやすく、窓と天井の両方を見る必要があります。どちらの影響が大きいかは、間取りと窓の配置を現地で確認して判断します。

冬も同じように、窓から熱が逃げているのですか?

熱の向きが逆になるだけで、熱が窓に集中して出入りする構図は同じです。冬は室内の暖かい空気の熱が窓から外へ逃げ、窓辺で冷やされた空気が足元に降りてきます。窓際が寒く感じるのはこのためです。

この記事の出典はどこで確認できますか?

本文で用いた数値と制度の内容は、次の公開資料で確認できます。金額・期限は制度の運用により変わることがあるため、ご検討時は各公式サイトの最新情報もあわせてご確認ください。

一般社団法人 日本サッシ協会『快適な住まい情報室 REPORT #01』(2025年7月発行)
https://www.jsma.or.jp/Portals/0/images/eco/pdf/sumai_johoshitsu_01(202507).pdf

先進的窓リノベ2026事業 公式サイト(性能区分・Uw値の考え方)
https://window-renovation2026.env.go.jp/

本記事は2026年8月時点の公表情報にもとづいています。記載の割合はアルミサッシ+単板ガラス住宅のモデル試算であり、実際の数値は住宅の構造・立地・窓の仕様によって異なります。断熱による効果は住宅の条件によって異なります。

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