断熱リフォームはどこから始める?効果を感じやすい順番の決め方
断熱リフォームは、窓から始めるのが基本です。夏の昼間に入ってくる熱のうち、約73%が窓などの開口部を通っているためです。
そのうえで「どの部屋の、どの窓から」を決めます。順番の決め手は、滞在時間・窓の面積・温度差の3つです。
監修:エコサーモハウス(有限会社梅林板金) 代表 平賀 友浩/プロフィール
公開日 2026年8月27日/最終更新日 2026年8月27日(本記事は2026年8月時点の制度情報にもとづいています)/読了時間 約7分
出典・参照:一般社団法人 日本サッシ協会『快適な住まい情報室 REPORT #01』(2025年7月発行)/先進的窓リノベ2026事業 公式サイト(記事末尾に一覧)
「家全体をやったほうがいいのは分かるけれど、そこまでの予算はないし、どこから手を付ければいいのか分からない」——断熱リフォームの入り口で、一番多くの方が止まる場所です。
この記事では、部位・部屋・範囲の3段階で順番の決め方を整理します。全部を一度にやらなくても進められる形にしています。
夏の暑さがきっかけの方へ
暑さの型によって、優先する窓が変わります。熱こもりタイプ診断でご自宅がどの型かを確認しておくと、順番を決めやすくなります。
冬の寒さ・結露がきっかけの方へ
結露が出ている窓は、熱の出入りが大きい場所の目印になります。冬の寒さ・結露を解決で原因の見方を解説しています。
図1 順番は3段階で決める
① どの部位から ── 窓
入ってくる熱の約73%が開口部を通ります。ここが最初の見直し先です
② どの部屋から ── 滞在時間・窓の面積・温度差
この3つが重なる部屋ほど、変化を感じやすくなります
③ どの範囲まで ── 窓だけ/1部屋/家全体
予算と目的で選びます。あとから広げることもできます
断熱リフォームは、どこから始めるのがよいのですか?
窓からです。夏の昼間に住宅へ入ってくる熱のうち、約73%が窓などの開口部を通っています(アルミサッシ+単板ガラス住宅のモデル試算)。屋根は約11%、外壁は約7%、床は約3%。熱の量が大きいところから手を付けるほうが、変化を感じやすくなります。
面積ではなく、熱の量で優先順位を決める
外側の面積で見れば、壁と屋根が大部分を占めます。それでも窓が優先されるのは、同じ面積あたりの熱の通しやすさが違うためです。壁や屋根には断熱材が入っていますが、ガラスとアルミサッシには断熱材にあたるものがありません。
図2 夏の昼間、住宅に入ってくる熱の割合(部位別)
窓など開口部約73%
屋根約11%
外壁約7%
床約3%
帯の長さは窓の73%を100%としたときの比率。出典:一般社団法人 日本サッシ協会『快適な住まい情報室 REPORT #01』(2025年7月発行)。
「家全体から」と考えると、決められなくなる
断熱リフォームの相談で多いのは、家全体の見積りを取ったところで金額に驚き、そのまま止まってしまうケースです。窓の断熱は、既存のサッシを壊さずに内側へ取り付けられるため、一度に全部やらなくても、あとから範囲を広げられます。
まずは一番困っている部屋の、一番大きい窓を起点にする。この決め方なら、予算の枠のなかで話を進められます。
部屋の優先順位は、どうやって決めるのですか?
滞在時間・窓の面積・温度差の3つで決めます。長く過ごす部屋ほど体感の差が出やすく、窓の面積が壁に対して大きい部屋ほど熱の出入りが多くなります。廊下や脱衣所との温度差が大きい場所も候補になります。
滞在時間 ── 長くいる部屋から リビング・寝室・在宅で仕事をする部屋など。一日のうち過ごす時間が長いほど、変化を感じる場面が増えます。
窓の面積 ── 壁に対して窓が大きい部屋 掃き出し窓が並ぶ部屋や、南・西向きに大きな窓がある部屋。面積が大きいほど、通り抜ける熱の量も大きくなります。
温度差 ── 移動したときに差を感じる場所 リビングと廊下、居室と脱衣所など。温度差が大きい場所は、熱が集中して出入りしている目印になります。
滞在時間が長いが、窓が小さい部屋 効果は小さめですが、体感する時間が長い分満足度は高くなりやすい部屋です。 窓は大きいが、あまり使わない部屋 同じ空間に面していれば、そこから出入りする熱が隣の部屋にも影響します。ドアで区切られているかを確認します。 温度差は大きいが、狭い部屋 脱衣所や洗面所など。窓が小さくても、面積あたりの影響は大きくなりやすい場所です。 どれを優先するかは、間取りと窓の配置を見て判断します。断熱による効果は住宅の条件により異なります。3つが重ならないとき、どれを優先するか(タップで開きます)
範囲は「窓だけ」「1部屋」「家全体」のどれを選ぶのですか?
目的と予算で選びます。特定の部屋の困りごとを解消したいなら窓だけ、部屋そのものの環境を変えたいなら一部屋単位、家全体の温度差をなくしたいならまるごと。あとから範囲を広げることもできます。
| 進め方 | 工事の範囲 | 住みながら | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| 窓断熱 | 内窓設置・ガラス交換など窓周り | 可 | 特定の窓の結露や暑さ・寒さを解消したい |
| 一部屋断熱 | 窓に加えて床・壁・天井をゾーンで | 可(短期工事) | その部屋の環境ごと変えたい |
| まるごと断熱 | ハウスインハウス工法など家全体 | 要相談 | 家じゅうの温度差をなくしたい |
出典:エコサーモハウス「3つの断熱リフォーム」。工事の内容と期間は住まいの状態によって変わります。
窓断熱は、1窓あたり最短約1時間から施工できます。既存のサッシを壊さないため、住みながら進められるのが特徴です。範囲を広げる場合も、まるごと断熱へ段階的に移ることができます。
補助金の面から見た、始め方の注意点
国の先進的窓リノベ2026事業は、1回の申請で補助額の合計が5万円以上になる工事が対象です。小さな窓を1か所だけという規模では、この下限に届かないことがあります。
図3 補助金の下限5万円をまたぐかどうか
小サイズの窓1〜2か所だけ
S区分の小は1製品22,000円。2か所で44,000円となり、下限の5万円に届きません
小サイズ3か所、または性能区分を上げる
S区分の小3か所で66,000円、P(SS)区分の小2か所で72,000円。下限を越えます
部屋単位でまとめる
掃き出し窓と腰高窓を組み合わせると、少ない箇所数でも下限を越えやすくなります
金額は戸建住宅・内窓設置の定額(先進的窓リノベ2026事業 公式サイト)にもとづきます
分けて工事を進める場合、次回も同じ条件で申請できるとは限りません。予算の上限に達した時点で受付が終了するためです。数年かけて進める計画がある場合は、最初の相談の段階で全体像を共有しておくと、区切り方を決めやすくなります。
本記事の補助金は「断熱窓への改修促進等による住宅の省エネ・省CO₂加速化支援事業(先進的窓リノベ2026事業)」の内容です。対象製品・工事内容・申請時期などの要件があり、事務局の審査があります。予算の上限に達した時点で受付は終了します(交付申請の予約は2026年11月16日まで、交付申請は2026年12月31日まで)。要件を満たす場合でも補助金の受給を保証するものではありません。
まず、ご自宅の暑さがどのパターンかを確かめる
西日が入る、2階に熱がこもる、エアコンが効きにくい——暑さの型によって、優先する窓は変わります。7問の質問に答えるだけで、ご自宅がどの型かを確認できます。個人情報の登録は不要です。
断熱リフォームの始め方について、よくあるご質問はありますか?
1か所だけの工事・壁や床を先にする場合・分割して進める場合について、ご相談の多い5つをまとめました。個別の条件は現地調査で確認します。
予算が限られています。1か所だけでも意味はありますか?
あります。ただし1か所だけだと、その部屋の中でも隣の窓から熱が出入りするため、体感の変化は部分的になります。同じ空間に面した窓をまとめて工事するほうが、変化を感じやすくなります。効果は住宅の条件により異なります。
壁や床の断熱を先にしたほうがよいケースはありますか?
床下からの冷えが強い場合や、壁の内部で結露が起きている場合などです。窓が優先になるのは、入ってくる熱の割合が大きいからであって、全ての住宅で窓が先だと決まっているわけではありません。現地調査で判断します。
賃貸やマンションでも同じ考え方でよいですか?
考え方は同じですが、工事できる範囲が変わります。賃貸は所有者の判断が必要で、マンションの窓は共用部にあたる場合があり管理規約の確認が要ります。内窓は室内側の工事のため、外窓交換より進めやすいケースがあります。
何年かに分けて進めることはできますか?
できます。ただし補助金は1回の申請で補助額の合計が5万円以上という条件があり、予算の上限に達した時点で受付が終了します。分けて進める場合、次回も同じ条件で申請できるとは限りません。
最初にどこを見てもらえばよいですか?
長く過ごす部屋の、一番大きい窓です。そこを起点に、同じ空間に面した窓と、隣接する部屋の窓へ広げていくと、範囲を決めやすくなります。現地調査では窓を1か所ずつ確認します。
この記事の出典はどこで確認できますか?
本文で用いた数値と制度の内容は、次の公開資料で確認できます。金額・期限は制度の運用により変わることがあるため、ご検討時は各公式サイトの最新情報もあわせてご確認ください。
一般社団法人 日本サッシ協会『快適な住まい情報室 REPORT #01』(2025年7月発行)
https://www.jsma.or.jp/Portals/0/images/eco/pdf/sumai_johoshitsu_01(202507).pdf
先進的窓リノベ2026事業 公式サイト(対象工事・補助額の下限・スケジュール)
https://window-renovation2026.env.go.jp/
本記事は2026年8月時点の公表情報にもとづいています。記載の割合はアルミサッシ+単板ガラス住宅のモデル試算です。補助制度の内容・受付状況は変更される場合があり、交付には要件と審査があります。補助金の受給を保証するものではありません。断熱による効果は住宅の条件によって異なります。
記事検索
NEW
-
西尾市の夏、窓の暑さ対策はどこから?3...
-
西尾市の断熱リフォームに市独自の補助...
-
安城市で内窓はエアコンの電気代にどう...
-
安城市の夏、窓の暑さ対策は何から?エア...
CATEGORY
TAG
ARCHIVE
見逃せない過去の記事も合わせてチェック!
他のお知らせページ
関連するお役立ち情報をピックアップ!
この記事と関連するページ
-
最新のお知らせ
2026年度リフォーム補助金のリアルタイムな申請状況速報や、断熱を体感できる地域イベント告知、臨時営業スケジュールなど、当社の最新トピックスを掲載。
2026年度リフォーム補助金のリアルタイムな申請状況速報や、断熱を体感できる地域イベント告知、臨時営業スケジュールなど、当社の最新トピックスを掲載。お知らせを読む -
ブログ一覧
DIY防寒の限界や、高気密住宅ならではの正しい換気方法など、プロの知恵袋を満載。西三河の気候を知る職人だからこそ語れる、お家を長持ちさせる現場裏話です。
DIY防寒の限界や、高気密住宅ならではの正しい換気方法など、プロの知恵袋を満載。西三河の気候を知る職人だからこそ語れる、お家を長持ちさせる現場裏話です。断熱の記事を読む -
施工事例
西三河エリアで手掛けた断熱リフォームの実績集。結露や寒さを解消した劇的ビフォーアフターや、職人の丁寧な仕事ぶりがわかる工事ビジュアル解説を公開中。
西三河エリアで手掛けた断熱リフォームの実績集。結露や寒さを解消した劇的ビフォーアフターや、職人の丁寧な仕事ぶりがわかる工事ビジュアル解説を公開中。施工事例を見る -
今使える補助金情報
先進的窓リノベ2026など、工事費が最大半額相当になるお得な国交省省エネ支援制度を紹介。複雑な申請手続きは、お客様の手間ゼロで私たちが丸ごとお引き受けして代行します
先進的窓リノベ2026など、工事費が最大半額相当になるお得な国交省省エネ支援制度を紹介。複雑な申請手続きは、お客様の手間ゼロで私たちが丸ごとお引き受けして代行します施工事例を見る -
断熱による7つの効果
部屋ごとの温度差をなくすヒートショック予防や、不快な騒音を和らげる遮音防音効果、家庭内CO2削減など、一度の工事でこの先ずっと続く安心の恩恵を解説。
部屋ごとの温度差をなくすヒートショック予防や、不快な騒音を和らげる遮音防音効果、家庭内CO2削減など、一度の工事でこの先ずっと続く安心の恩恵を解説。7つの効果を見る -
住まいのお悩み解決
床の底冷え、毎朝の結露、夏の室内の熱中症など、お家の不快感の元凶である「断熱不足」をプロの目で正確に診断。我慢を重ねる暮らしを根本から一掃します。
床の底冷え、毎朝の結露、夏の室内の熱中症など、お家の不快感の元凶である「断熱不足」をプロの目で正確に診断。我慢を重ねる暮らしを根本から一掃します。悩み別の解決策を見る -
エコサーモハウスが選ばれる理由
1ミリの隙間も作らない自社職人の高い技術力、西三河密着の迅速なスピード対応、そして面倒な補助金申請の手続きを丸投げできる安心のサポート体制が強みです。
1ミリの隙間も作らない自社職人の高い技術力、西三河密着の迅速なスピード対応、そして面倒な補助金申請の手続きを丸投げできる安心のサポート体制が強みです。他社との違いを見る -
まるごと断熱
今の住まいを活かすハウスインハウス工法等で、家全体を新築以上の快適さに再生。電気代を気にせず一生健康に暮らせる家に。
今の住まいを活かすハウスインハウス工法等で、家全体を新築以上の快適さに再生。電気代を気にせず一生健康に暮らせる家に。まるごと断熱を見る -
一部屋断熱
予算を抑えて、家族が集まるリビングや寝室など必要な場所だけをピンポイントでゾーン断熱。住みながら数日の短期工事で、お気に入りの部屋を魔法瓶化します。
予算を抑えて、家族が集まるリビングや寝室など必要な場所だけをピンポイントでゾーン断熱。住みながら数日の短期工事で、お気に入りの部屋を魔法瓶化します。一部屋断熱を見る